日時:2024年4月27日 14時~15時
場所:コクリエ親子ラボ 神奈川県鎌倉市津西1-25-18 地図
日時:2024年4月27日 14時~15時
場所:コクリエ親子ラボ 神奈川県鎌倉市津西1-25-18 地図
『どこいったん』 作/ジョン・クラッセン、訳/長谷川義史、クレヨンハウス、2011年
「ぼくの ぼうし どこいったん?」
くまが、お気に入りの赤いぼうしを探して聞いてまわっています。
「しらんなぁ」「みてへんで」「ぼうしって なんや?」
誰も知らないという、ぼうし。
思い返してみると・・・誰かの姿が思い浮かび、くまはその動物のもとにかけ戻りますが−。さて、無事、くまの手元にお気に入りの赤いぼうしは戻るのでしょうか。
私が味わい深いと思う絵本とは、世界が広がったり想像の余地のある、「余韻のある絵本」であるという持論があります。
さて、この『どこいったん』という絵本には、どきっとするような余韻が漂っています。絵本の中で、くまが自分のぼうしを盗ったのではと疑った相手は、うさぎでした。
「し、しらんよ。なんで ぼくに きくん?」
「ぼうしなんか とってへんで。」
あまりにも怪しいうさぎの様子。
そのセリフは、絵本でも赤字で記されており、さらに怪しさ濃厚です。
のちにその様子を思い返したくまは、あまりにも疑わしいうさぎのところにとって返すのですが、2匹が見つめ合ったその後、残されたのは草木の乱れたうさぎの居た場所に赤いぼうしを被って満足げに座るくまだけでした。
まさに、「どこいったん!」と叫びたくなる場面です。
うさぎは、くまに食べられてしまったの〝かもしれない〟し、ただただ格闘の末にぼうしを取り返しうさぎは去ったの〝かもしれない〟、もしくはその乱れた草木とともにくまのおしりの下にうさぎは潰されているの〝かもしれない〟。もともと、疑わしく見えただけで、うさぎはくまのぼうしを盗ってなんかいなかったの〝かもしれない〟・・・。
きっと人によって、うさぎの行方について、ことの顛末について考えはきっとさまざま浮かび、想像はふくらみますよね。
そして、次はうさぎの行方を疑われる側になったくま。因果応報というか、業が巡るような怖さがじんわり広がる中でラストを迎えます。大阪弁のゆるいやり取りなのに、なんとも緊張感をともなうというギャップが魅力の絵本です。ぜひ、音の絵本時間に、この怖さの余韻をかみしめてみてくださいね。
(2023/3/20発行 メルマガ原稿より)
●コクリエでは HARUさんをお招きして 毎月 大人のための絵本の会を開催しています。もっと話を聞いてみたい、絵本専門士さんや絵本好きな人たちと話をしたいという方はぜひ体験でいらしてみてくださいね。
4月のテーマは世界の絵本、です。
世界各地の絵本を読み&見くらべて、絵本に反映されている文化の違いや物事の描かれ方を味わおうという今回の企画。
最近書店でも見かけるようになった韓国の絵本、昔からある欧米の絵本、日本にはなじみの薄い国の絵本との出会いを通して、新発見があるかもしれませんね。
ゴールデンウイークは日本で過ごすという方、絵本で一緒に世界をめぐってみませんか。
開催日時 | 2024年4月27日(土)10:00-12:00 |
場所 | コクリエ親子ラボ 神奈川県鎌倉市津西1-25-18 |
内容 | ・絵本でめぐる世界一周 HARUさんの選書紹介 ・メンバーおすすめ絵本(どんな絵本でもよいので、ぜひシェアしてください) |
講師 | 絵本専門士 HARUさん ※HARUさんの絵本紹介を、コクリエのメルマガ(月2回)で読むことができます。登録はトップページ メルマガの購読 から。 |
参加方法 | 申し込み方法・お問合せ: メール info@cc-oyakolab.net または※LINEからお申しこみください。 申込締め切り:4月25日(木)12:00 |
参加費 | ・初回体験参加 500円 ・会員の方 500円 ・非会員の方 1000円 |
絵本の会について | コクリエ絵本の会とは? |
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